Fink

ユーザーガイド - 1. はじめに

1.1 Fink とは何ですか?

Fink は Unix オープンソース・ソフトウェアを Mac OS X と Darwin 向けに提供するものです。 Linux や同様のオペレーティングシステム向けに開発された、たくさんのコマンドラインやグラフィカルなフリーソフトウェアを Mac で使えるようにするものです。

1.2 必要条件

必須:

ソースディストリビューション (下記参照) を使用する場合、以下も必要です:

1.3 サポートされているシステム

Mac OS X 10.4 は、最新のプラットフォームで、完全にサポートとテストされていると考えられますが、 新しいオペレーティングシステムとして課題も残っています。 開発者のほとんどはこれを用い、10.3 を使用している人は 10.4 ユーザーにテストしてもらっています。 注意、しかし intel ハードウェア上での fink は、まだ beta 品質と考えられています。

Mac OS X 10.3 は、最新のプラットフォームで、完全にサポートとテストされていると考えられますが、 パッケージに酔ってはコンパイルに問題があるものもあります。 多くの開発者はこれを使用しますが、所有していない場合は 10.3 ユーザーにテストをしてもらっています。

Mac OS X 10.2 は、現在でも制限付きでサポートされています。 Fink 0.6.4 が使用できる最新バージョンです。

Mac OS X 10.1 は、現在でも制限付きでサポートされています。 Fink 0.4.1 が使用できる最新バージョンです。

Darwin 8.x が Mac OS X 10.4 に、 Darwin 7.x が Mac OS X 10.3 に、 Darwin 6.x が Mac OS X 10.2 相当する Darwin のバージョンです。 基本的には動作するはずですが、ほとんどの人は Mac OS X を使用しているので、テストされていません。 Mac OS X 固有の機能を使っているパッケージでは問題が発生するかも知れません。 影響するパッケージは、 XFree86 と、おそらく esound です。

1.4 ソース vs. バイナリ

ソフトウェアは、人間が読めるプログラム言語で書かれて ("開発されて") います。 この形式は "ソースコード" と呼ばれるもので、低レベルの (大抵の人間は読めない) コンピュータが実行するには、これを機械語に変換する必要があります。 このプロセスは "コンパイル" といい、できたものを "実行可能ファイル" や "バイナリ"といいます。 (このプロセスは、コンパイル以外のステップも含むので、ビルドと呼ぶこともあります)

商業用ソフトウェアを購入する際はソースコードを見ることはありません。 企業は秘密として扱っています。 入手するのは実行可能ファイルだけですので、プログラムを変更することや、実行時に何が起こっているのか知ることはできません。

これは オープンソース の場合は当てはまりません。 名称が示すように、ソースコードは公開されていて、読むことも変更することも可能です。 事実、ほとんどのオープンソース・ソフトウェアは、作者からはソースコードの形式で配布されているだけで、実行するには自分のコンピュータ上でコンパイルする必要があります。

Fink では、二つの選択肢があります。 " ソース " ディストリビューションでは元のソースをダウンロードし、 Mac OS X と Fink ポリシーに対応させてコンパイルします。 このプロセスは全て自動的に実行されますが、多少時間がかかります。 他方、 " バイナリ " ディストリビューションでは、コンパイル済みのパッケージを Fink サイトからダウンロードし、インストールします。 コンパイルに要する時間を節約できます。 この二つを組み合わせることも可能です。 このマニュアルでは、両方の使用方法について説明します。

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